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広島市視覚障害者福祉協会主催 ブラインドテニス体験会 2024年度 ふれあいテニス”レポート 2024/9/1

◆広島市視覚障害者福祉協会主催 ふれあいテニスレポート

まだまだ厳しい残暑の中ではありましたが、広島市視覚障害者福祉協会主催で、8月25日(日)に毎年恒例の「ふれあいテニス」が実施され、私たち中国地域ブラインドテニス協会スタッフも協力いたしました。

今回の参加者は弱視3名、全盲3名の6名でそのうち2名が初体験者ということで、自己紹介・準備体操のあとはそれぞれのコートに分かれて初体験の方にはコートの説明やラケットの握り方、振り方などをマンツーマンで指導しながら他の体験者に混じってボールに触れていただきました。

全盲クラスでは2名の方は何度もテニスをされているので通常の球出しからスタートし、初体験の方には転がるボールをラケットに当てるところから始め、徐々に難易度を上げて最終的には通常の球出しのボール(3バウンド以内に打ち返す)というところまでなんとかできるようになりました。

サーブ練習では経験者はすぐに感覚を取り戻し、ナイスサーブを連発、初体験の方も最初はネットに届かない、とんでもない方向に飛んでいくなど悪戦苦闘の感がありましたが、こちらも最終的にはサービスエリアに入るようになりました。

最後に経験者は5ポイントタイブレークのミニゲームを2試合おこない、初体験の方は何がやりたいかお尋ねすると「レシーブがやりたい」と即答が返ってきたので、ラケットに気持ちよくボールが当たる間隔を得ていただけたようで有意義な時間を過ごすことができました。

弱視クラスの3名は、2名が経験者で、もう1名は初体験でした。
初体験の方には、手でボールを出してあげて、なるべく打ちやすいボールを打ち返すことから始めました。
それでも、飛んでくるボールを目で見ようとして、何度も空振りされていました。
弱視は目で見て、ボールを打とうとする悪い癖が出てしまいます。
耳でボールの弾む音を聴くことを指導しました。
目が5割、耳が5割でボールを追いかける。
口で言うのは簡単ですが、実際に行うと、それは難しいことです。
弱視は、視力が様々ですから、それが全て当てはまるという訳ではありませんが、基本は耳で聴くことが大事です。

残りの2名の方も経験者とは言っても、たまにしかテニスしたことがない方でしたので、感覚が鈍っておられました。
球出しは、普通にラケットで打って出しますが、なるべく山なりのボールを出すようにしました。
最初はボールを打つポイントが分らず一定しないため、空振りやフレームショットが多くありました。
やはり、この2名の方にもボールの弾む音を聴くこと、そして自分の口で「トン トン トン パーン」と、ボールの弾む音に合わせて口ずさむことを進めました。
すると、徐々にボールを打ち返す回数が増えてきました。

更にボールをどこで捉えるかを指導しました。
フォアハンドの場合、踏み出した左足の膝の位置でボールを捉えること、また、タイミングはボールが床について、上ってくるところで捉えることを指導しました。
一度にたくさんのことを言っても、すぐにはできるものではありませんが、それでも徐々にボールが相手コートに返ってくるようになりました。
予定の半分を終えたところで休憩を取り、休憩後はサーブ練習から始めました。
上からのサーブと下からのサーブを右サイド、そして左サイドから行いました。
その人が上からと下からのサーブでどちらがその人に合っているかを見極め、安定している方を練習するようにしました。
サーブは個人差があり、すぐにコツを掴む人もあれば、最後までどこへ行くか分らないという方もおられました。

最後に、また基本のストローク練習に戻りましたが、最初の時よりも空振りが少なくなり、少しですが上達されたのを感じました。
今年は初心者に近い方ばかりでしたので、基本練習を主体としてゲーム形式の練習ができませんでしたが、無心でボールを追いかけておられる姿に、私たちも初めてブラインドテニスを始めた頃を思い出しました。

参加者の中には定期的に練習したいとの嬉しい感想もいただくなど、今年も楽しく気持ちの良い汗をかいた1日でした。
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